日本造園学会関西支部大会 関西支部設立40周年記念大会
10/14 聴講報告 京大は広かった。
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1)佐野藤右衛門さんの話
こんな講演の仕方もあるんだなって感心しました。 さすがに、面白い。
日本造園学会の会長の中瀬先生が言われるとおりだった。
「何かを創る場合、いろいろ制約条件はあるだろう。でも、最初に、白紙の紙に、そんな制約条件を取っ払って、
最高の形を書け。 そして、それから、引き算で、出来そうにない事を削り取れ」
これは、僕の仕事にも 生かせる。
2)井上剛宏(たかひろ)さん((株)植芳造園代表取締役)の話
一番、油が乗った方のように思った。佐野藤右衛門さんが、講演中に 「たかひろは居るか」「たかひろ」って言われるので、余程、信頼している方だろうって思っていた。
「守ることだけが京都らしさにつながっていくのか・・・」とレジメにあった。
そして、講演の中で、【 守り・育てる・創造する 】、【現実を受け止め、それを取り込み生かす】って言われていました。 僕も、そうだと思う。 21世紀の京都の庭園というのがある。
そうでなければ、今を生きている私達の”らしさ”がないように思う。
3)会長 中瀬先生 ・・・ 先生が居られたので、一人ぼっちにならずに済みました。
そして、日本の植木屋の一流 佐野藤右衛門さん、井上剛宏さんと 直接、
会話が出来ました。 感謝。
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平成18年度 日本造園学会関西支部大会 関西支部設立40周年記念大会
<第2日目> 10月14日(土) 於 京都大学農学部総合館 W100講義室
14日の「基調講演」および「パネルディスカッション」は一般公開しております
(無料、パネルディスカッション資料代のみ)
11:00〜12:00 基調講演 【造園CPD認定プログラム】
「京都和風迎賓館庭園について」
佐野藤右衛門 氏 ((株)植藤造園代表取締役)
13:30〜16:30 パネルディスカッション
【造園CPD認定プログラム】
テーマ:「古(いにしえ)の京の風土を次代に継承するために」
○コーディネーター:
森本 幸裕 (京都大学地球環境学堂教授)
○パネラー:
「風土保全と風致保全に向けた行政的取組みについて」
木村 裕 (京都市風致保全課課長)
「千年の都・京都の美しい鴨川づくりについて」
古賀 俊行 (京都府河川計画室長)
「京都三山の森林景観の推移と課題について」
奥 敬一 ((独)森林総合研究所主任研究員)
「京の風土を活かしてきた庭づくりの技術について」(仮)
井上 剛宏 ((株)植芳造園代表取締役)
「五山送り火を支えてきた市民の心意気について」
長谷川 綉二 ((特)大文字保存会副理事長)
17:30〜19:30 懇親会 於京大会館(地階レストラン「このえ」)(参加費 5千円)
⇒ 原則 学会員のみ
佐野 藤右衛門 (とうえもん)さんの著書
1928年 京都生まれ 16代目 (株)植藤造園 の社長 桜守りとして有名
1. 「 桜よ 」 集英社
・装備や機械を過信しているんですな。絶対大丈夫やという考え方で、みな行くでしょう。例えば、登山でも、昔はザイルに絶対ということはなかったんですわ。それがナイロンができてから絶対切れへんとか言いだした。絶対なんていうことは、世の中にないんです。ですから、ちょっと方法を誤ったりすると、バッサリといってしまうんですな。 テントを張るところでも、昔の人は、ここは恐いというところには絶対にちかよりませんでしたわな。その怖さを表現するにしても、物理的な話をするよりも、精神的な怖さを先に教えましたわな。ところが、そんなのは迷信だと言って、言い伝えをばかにしだしたから、おかしくなったんです。・・・・・
合理的な説明をするよりも、人間の弱い部分についての話をうまく作って、危ないところには寄らんようにさせていたわけです。自然というものは、素晴らしいものであると同時に怖いものです。
2. 「 桜のいのち 庭のこころ 」 1998年4月 草思社
庭は手入れでなしに守りですわ。つくった庭というのはずっとみてやらなあきませんわ。みなさんはこれを手入れするといいますな。手入れをするからあきまへんのや。守りをせなあきまへんのやわ。
守りをするというのは、子守りでもそうですけど、子供の性格がわかるから守りができるんです。手入れというのは散髪するようなものです。きれいに切りそろえたらいいんですから、それはそのときだけよければいいということですやろ。性格がわかって、こうしたら、こう育っていくやろということを知って守りをしながらやっていく仕事です。初めの一回だけつくって終わりというんじゃないんです